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2024.05.22
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気候変動に関してのISOマネジメントシステム規格への追記について

 

2024年2月23日に既存のISOマネジメントシステム規格について、気候変動に関する内容が4.1項及び4.2項に追加されました。(下記の日本規格協会英和対訳を参照願います)

 

(日本規格協会英和対訳)

4.1 この細分箇条の後に、次の文を追加する:

組織は、気候変動が関連する課題かどうかを決定しなければならない。

4.2 この細分箇条の後に、次の注記を追加する:

注記 関連する利害関係者は、気候変動に関する要求事項をもつ可能性がある。

 

(原文)

AMENDMENT 1: Climate action changes

4.1 Add the following sentence at the end of the subclause:

The organization shall determine whether climate change is a relevant issue.

4.2 Add the following note at the end of the subclause:

NOTE Relevant interested parties can have requirements related to climate change.

 

背景は、気候変動に関するISOのロンドン宣言を受けて、マネジメントシステムの有効性の観点から、他の全ての課題に加えて、気候変動の課題を組織が考慮することを確実にするためです。

近年では地球温暖化の進行によって、勢力の強い台風や大雨、猛暑、渇水の頻度が増加するなど、気候変動による影響がさらに拡大することが懸念されています。また、これらの影響は建物の損壊、停電、断水、操業停止など直接的なインフラへの影響にとどまらず、サプライチェーンや物流の断絶等による企業活動への影響も考えられます。

ISOは気候変動を極めて重要なテーマとして取り上げ、規格は常に、影響を与える全ての課題を組織が考慮する必要性があることを強調しており、マネジメントシステムを運用している多くの組織については、既に気候変動に配慮していることになると考えています。

 

この追補版の発行は環境マネジメントシステムだけでなく、品質、情報セキュリティ、労働安全衛生、道路交通安全、事業継続、エネルギーなど他のマネジメントシステムにも適用されています。

 

弊社では2024年7月1日からの全てのマネジメントシステム審査において、トップマネジメントインタビューや関連する審査(例えば管理責任者に対してのマネジメントシステム全般に対する審査)で、現在既に認識されている課題が気候変動に関連するものかどうかということをご説明いただき、気候変動の影響を考慮した活動が実施されているのであればその状況を確認することになりますが、審査では現状の運用状況を確認するだけですので、過度なご心配は無用です。

 

尚、各マネジメントシステム規格の発行年に変更はありませんので、登録証書の発行はありません。

ご不明な点がございましたらIMJ審査部までお問い合わせください。

 

<関連リンク>

JAB 公益財団法人日本適合性認定協会

マネジメントシステム規格への気候変動に係る追補版発行について

一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)

マネジメントシステム規格への気候変動に係る追補版発行について